でも、少なくとも面識があったのに関わろうとしなかったお前よりマシだと思った。
「何が正しくて何が間違ってるかなんて、そんなの決めるのは結局自分なんだ。
君だってそうだろ。オレが間違ってるって思ってオレを殴った。
でもオレは自分のしたことに間違ってるなんて微塵も思ってない。先輩だってきっとそう思うよ。自分は間違ってないって。
北見くんとオレは同じなんだよ。
自分は間違ってない。今すべきことをした。
結局は、君の自己満足だろう?そんな君に、オレを殴る権利も、先輩の事を愚弄する権利もないんだよ」
静かだけれど刃物のような鋭い言葉に、俺はとっさに口を開けなかった。


