最初、図書室の前で見たときから、どうも彼のことは好きにはなれない。

彼の性格というか、顔が。


10人が雪村君の顔立ちを見れば、10人が全員「綺麗」だと感想をこぼすだろう。

それほど彼は整った顔立ちをしていた。


けれど俺からしてみれば、綺麗や秀麗というより、「出来すぎている」のだ。


よく人の顔を見て、この人はもっと目が大きければ鼻が高ければ、といういまいちな評価があるだろう。

それは当たり前のことで、そういうのが普通なのだ。

でも彼は違う。