「おめでとう」 不意に彼の口からこぼれた言葉に、俺は首をかしげた。 「事件、解決したんだよね?おめでとう」 まるで他人事のように、いや、実際彼にとっては他人事なのだろう。 橘先輩のことも、全部。 腹の底でふつふつとなにかが煮えたぎるのを感じた。 思わず拳を握りしめる。