そう。あれは事故だ。 この人はなんも悪くない。 そうじゃなきゃ、悠兄を責めることになってしまう。 悠兄も兼子先生も、必死で手を伸ばした。 結局それが裏目に出てしまったけど、その思いは称賛に値するべきものだと思う。 「………すまなかった」 先生はなにかに解放されたような満ち足りた表情で俺たちに頭を下げた。