「………私は、3年間橘のクラスの担任をしていた。それで、よく彼女の相談に乗っていたんだ。そして理解できた。
彼女は普通とは違うと、異常だと。
3年間、あいつはいろんな男に付き纏っていた。ひどいときは盗撮までしていた。やめさせようとしたが、聞く耳を持たず、決して長続きしないから黙認していた」


兼子先生は立ち上がって拳を握りしめた。

過去の自分を恨むように。


「あるとき、橘は雪村を付き纏いはじめた。どうせまたすぐにやめるだろうと思っていたのに…今回は違った。
雪村の家まで調べて、盗撮を繰り返し、直接会いに行ったりしていた。こんなのはじめてで、なんとかやめさせようとした」