やがて時が過ぎた。私はなるべく軽い
戦闘服に着替えて みんなが集まる広場に
行った。


みんながみんな、真夏の空のような
浅葱色の羽織を着ていた。


浅葱色に、白いだんだら模様は
ハッとするほど 目立つ。
私は、結構好きだ。



けれども今は 真夏。
みんな汗だくなのに 羽織を脱ごうとする人はいなかった みんな、笑って
談笑をしている。


これから御用改めに行くと言うのに。
みんな自分たちを励ますように笑っている。

誇らしげに、楽しげに。



『暑いな。』 「暑いね」


横にいる総司に話しかけると
そのまんま、返してくる


『あたしがんばるから』

「うん。」


もっとアンタ達と 信頼できるように

もっとアンタ達と 分かり合えるように。




「出動するぞ」

土方が大きくて低い声で 隊士たちを
集めた、近藤さんはその横にいる。


「土方さん、会津の応援は?」

平助が大きい声で聞いた
合流してから一緒に討伐派探索を
する 会津の軍勢がまだ来ていない。


しかし土方は 眉間にしわを寄せて答えた


「遅れるんだと」

「ええッ…本当かよ。あいつら
何してんだよ」

「さあな、だがもう会津を待っている時間は ねえ。今から言うとおり、隊を2つに分ける」


隊士の間に緊張が走る
ただでさえ 夏の暑さにやられて病人が多く、出動できるのはわずかなのに。


「まず、近藤隊。沖田、永倉、藤堂、華山…以下11名」

たった、11…。ってことは

「土方隊。原田、斎藤…以下23名」

ですよねー!人数の差‼︎
土方暑さにやられて脳みそにウジでもわいてるてんじゃねーの。まぁいいや


私のいる限り、御用改めは必ず終わらせる。



目標!10分の9!一人で斬り込むこと‼︎
総司 なんかに負けてたまるか‼︎‼︎
それに今日の借りもあるしな。
あいつの前で泣いたのは不覚だった。

よっしゃ、なんかそう考えたらやれるような気がしてきた。

誠心がなんぼのもんじゃい。
のし上がったもん勝ちや!

打倒 総司! 弱肉強食‼︎
一番組を乗っ取ったるよっ‼︎‼︎‼︎



『ふふふ…』
「なに、コッチ見て笑ってんの?
気持ち悪」
『!? やんのか⁉︎貴様ッ』

「鈴、総司ッ‼︎くっちゃべるな‼︎
話を聞け‼︎」


『ういーす』「はあい。」