やがで、杏里ちゃんから手紙で
返事が来た。
内容は 新撰組を 島原で もっとも
大きい 『天月亭』 というところに
招待してくれる。ということ
その目的は 勿論…
「いらっしゃい、鈴さん!
お待ちしてましたよ」
部屋の中で 可愛らしい笑顔で迎えてくれる 杏里ちゃんに私は 軽く頭を下げた
『こんな…高そうなところに野郎共を呼んでくれて 嬉しいんだけど…なんていうか 場違いじゃない…?』
周りの部屋の人たちは ずいぶんお金を持ってそうな人たちばかりだった
確かに普通の人たちもいたんだが
そういう人たちは 高い上の階には
上がれないらしく 私たちは
お金持ちが使う お座敷に招待された
みたいだった… 本当なんでこんな
キラキラとゆうか 艶っぽいというか…
大人の雰囲気漂うところに連れてこら
れたのか疑問でしょうがない
「場違いやありまへん! 新選組の皆さんは とっても男前な方ばっかりやし、島原のとこでも評判がええんどすえ?
土方さんを筆頭に 沖田さん、斎藤さん
原田さんに永倉さんも男前やし…あ、でもウチ、藤堂さんも好きどすえー」
『…あいつらのどこがいいの?』
「顔どす。」 『ええーー…』
いつも一緒にいるからよくわからない
いや、私はあまりそういう感情は持たないから いつも一緒にいたって思わないのか…納得だ。
『そこの人は?』
話をしていて、途中で杏里ちゃんの
後ろで 艶やかな笑みを浮かべた女の人
が来ていたので 杏里ちゃんに聞くと
杏里ちゃんが その人の肩に手を置いて
答えてくれた。
「この人は 私の友達 笹舟さんどす、
歳離れとるけど 仲ようしてもろうとる 人どすえ」
「初お目にかかりまして…笹舟、言います 杏里からはよう聞いてますぇ どうぞよろしゅう」
『うわー、凄い美人…』
真っ白な肌、色っぽい目…
実に綺麗な人だ。 さすが杏里ちゃん
の友達さんだ 凛としていて美しい。
「何言うとるんどすか?鈴はんの方がきれいやわぁ」 『めっそうもない‼︎』
にっこりと返されて 全力で首を振る。
杏里ちゃんは苦笑しながら 部屋の
行李の蓋を開けて 中から襦袢やかんざし
帯や 煌びやかな着物などを取り出した
「笹舟さん、手伝っておくれやす」
「わかってますえ 鈴はん、綺麗に
着替えましょなー」
『あっ…? え?』
いつの間にか、逃げないように
出口を塞がれ キラキラした笑みを
浮かべながら 2人は私に詰め寄った
『え…?今日からなの?私、そんなの聞いてないんだけど…?』
「土方さんから よーく頼み込まれとんどす、猫に小判だが…よろしく頼む。って!」
「やから鈴はん?元はめっちゃええ
顔してるんやから…みんなを驚かせましょな?」
『え…っ何か…怖い、よ?お二人とも』
『えっ…あッちょ…な、何ッ⁉︎』
「まあ、鈴さん サラシで胸ぐるぐる巻きにされとんどすなぁ…ほんまはこんなに可愛らしいのに…」
『ちょっ、笹舟さん⁉︎なに見てるんですか⁈ギャアッ 下はヤダっ‼︎き、着替えるから出て行ってよおおおッ』
「あかんえー鈴さん 着物着るん大変なんやから…ほら はい。」
『うにぎゃあああああッ!!?』

