☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華


やっと、夜が来て
私は総司と夜中の巡察に出た

夜の街は 静かだか、暗い
私は目をギラギラさせながら
歩いていた。

「そんな、ギラギラしてても大丈夫だよ、鈴来る時は来るから…」

総司が苦笑してたしなめた
だって…楽しいんだもん
なんか、土方に疑われたから
イライラしてるしね‼︎
べっつに私、馴れ合いなんか嫌い
だから、別に人なんて…
信じないもん。



すたすた と歩いていると神社が目に入る、こんなところにあったんだー…知らなかったなぁ。


『ねぇ!お参りしていい?』


キラキラしながら総司を見ると
総司は、ん?と首を傾げた


「こんな所、あったっけ…?」

『いーじゃん‼︎私いまお金持ってきてるから!』

私は 懐からがま口を取り出して
お賽銭箱に パッといれた。
二礼して、手を二回叩いて
一礼。

願いは、


大切な物が 見つかりますように。


神様 罰当たりな私の願いを聞いて
くれるかな?…大切な物が
刀と、髪紐以外にできたら嬉しい
私には それしか頼るものが無いから。


だから


どうか。





と、願っていると


にゃ〜… とか細い声がした。



にゃあ?

にゃあー?

…猫ですか⁉︎

私は走って神社の周りを探した
総司はそれをニコニコしながら
面白そうに見てる。
平隊士は ちゃんと巡察中


歩きまわっていると
神社の神木の横に小さい猫が
グッタリと横たわっていた


『っ…』

急いで 猫を触ると 暖かい
死んでないみたいだ…良かった
ヒョイ、と抱き上げてみると
猫が目を開けた。


月の美しい夜だった。
子猫は 硝子玉のような青い目
を私に向けて見つめていた

真っ白な毛、ふわふわしていて
まるで綿毛みたい。


親とはぐれたのかな、細くて
小さくて 暖かい…守ってあげなきゃ。


私は そっと子猫を懐に忍ばせて
総司のいる組へと帰っていった。