土方side
とうとう、鈴が山崎を発見してしまった
いや、もっと前から分かってたんだろう
けど、鈴は俺の目の前に山崎を叩きつけた
…鈴は 俺を敵と認識したのだろうか、
刀に手が置かれていた。
そして、俺に向かって言った。
『私はずっとここに居るわけじゃないし…そんな疑わなくていいんだよ?ふくちょー、』
ずっと、居るわけじゃない。
つまり、いつかは出て行くということ。
疑わなくていい。
私は、ただここに居るだけ。
鈴の言葉の裏には 他人行儀な言葉が
ありありと分かる。
違う、ただ 俺はテメェを
暗い血の海から 出してやりてえ
ただ、それだけなんだ
テメェは人斬りだけで終わる
ヤツじゃねえ。 誠の道を
進めるはずなんだ
腐った野郎の目じゃねえ。
テメェは 澄んだ 瞳なのに。
ただ、仲間として
新撰組に迎え入れてやりてえ
それだけなのに。
迎え入れるのに、山崎が必要
だっただけだ。
やはり、アイツの口から
聞いた方が良かっただろうか
「すんまへん、副長…見つかってもうて」
山崎は、申し訳無さそうに言った。
いや、と土方が答える
「足、早く治せよ」
「はい。」
と、答えて 山崎は消えた。
山崎が見つかってしまうのは
想定内だが、まったくあいつは
凄え。 山崎はやり手の監察だ
…もともと、鈴は俺とやり合う
ぐらいの野郎だからな
強い。あいつは。
だから、新撰組に。
まず、両親の事 過去の行い
刀さばきは何処で取得
したか、 それにあの珍しい
刀 (十六夜)の事。
色々と謎が多く、厄介だ。
と、思いながら 土方は隊務を
やっつけようと また机に向かった。

