☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華


ダンッ

天井に向かって 抜き身の
十六夜で…ブチ破った。

「いっだああああぁあッッ⁈⁉︎⁉︎」

ドサッ、と落ちてきた 不審者は
男だった。 まあ、当たり前か


「いっ…一しか数えてないやん!!
二と三はどないしたんや⁉︎」


『面倒くさくなって…(笑)』

「ワザとやろ⁉︎ 信じられへんわー!
アンタ…かわええ顔してんのに!」


『いや、アンタに信じられても…
どっちでもいいんだけど?』


男は足を怪我したそうで、ガタガタ転がりながら 私に うったえてきた
私は 男を冷たい目で見た。



『ところでさ?のぞきなわけ?
趣味悪いって言うか…私を監視しててバレないとでも思ってたの?』


十六夜を鞘に収めて ギロリ、と睨むと
男は とたんに顔を真っ青にした。
…面白い。笑



ガシィッ! と男の首根っこを掴んで
廊下に引きずり出した。


「な、なにすんねん!」


返答もせずに引きずりながら
土方の部屋まで 着いた。



スパアアァァァンッ


「テメェ!!もっと静かにあけろっていってんだろォが‼︎」


思いっきり襖を開けて、叱られたが
私には、コイツがいる。


どんッ‼︎


と、男を土方の真ん前に張り倒して
土方をギロッと睨む



『土方、コイツはなんだ?
不審者か?間者か?
それとも、あんたがよこした監察員?』


土方は 男を見た瞬間、苦虫を噛み潰した様な顔をした 私は土方に近づいて 刀を掴みながら、静かに言った。


『お前が、私を見張る為の者?
…あんたって、私の敵なの?』



「…いきなり屯所に転がり込んだ
人間を調べねぇ訳ねえだろ」



土方は、目を細めて 真顔で言い放った。
私は 少し笑って言った


『じゃあ、私が倒れた時も
心配してなかったんだ。 私、怪しいもんねー。自分でも 知ってるよ』



「心配してねぇ、とは言ってねぇだろ
…一応だ 万が一に備えて。」



土方が 殺気を放って答えた
それ、本当は 優しい言葉なのにね。



『あ、そ…』


刀を下げて、カチャリと鞘に収めて
男を再び見た



「コイツは新撰組、監察の山崎だ」


「よ、宜しゅう 山崎 丞や。」


忍者‼︎って感じの黒い服…以外と顔は良い方かな? あんま分かんないけど。


『ん、よろしく。私、鈴』

「知ってるで!ワイ 監察やからな!」

ふふん、と胸を張る山崎に ヘッ、と
鼻で笑った。


『監察だったら、動揺しない様に
訓練でもしたら?』


「う、しゃあないやん…人間やもん」