にこりと笑うと、少女はおずおずと聞きにくそうに 私に質問した
「あの、男の人ですよね…?すみませんすごく綺麗なので女の人に見えました」
ばれたか、と苦笑すると少女は
え?と顔を上げた
『やっぱり同性にはわかっちゃうよね…私女だよ!でも強いから、新選組に入れられちゃってさ』
口に人差し指を置いて、ひそひそと言うと少女は 緊張がほぐれたように笑った
『それに、あなたの方が綺麗ですよ!お名前は?』
「杏里、と申します…これでも芸妓やっとるんどす よろしゅうお願いします」
杏里と名乗る 可愛らしい女の子は
えへへ、と笑った
それにしても、と杏里ちゃんが
まじまじ 私の顔を見つめて、ため息をついた
「すごく綺麗な顔立ちやね…いいなぁ!」
『いや、そんなそんな…』
人斬りになんて、美しい顔はいらない
苦笑しながら首を振った。
「鈴、やっと見つけた」
総司が路地から顔を覗かせて
こちらに近づいてきた。

