みんなで朝ごはんを終えて茶を飲んで
いると総司に話しかけられた


「鈴、風邪治ったんだ」



『まあな、回復力は人一倍だからな!
土方の怪しい薬なんて飲んでなくても
1日で治る…』




「昨日、てめぇの口に飲ましたけどな」


土方がさらり、と言って 茶をすすった
ハアッ⁉︎ と私は声を上げる


『なッ…あの石田三疫を⁉︎』


「てめぇ、人の家の薬を三回疫が来るみてえに言うな 石田散薬だ。」


「ああ、あながち間違ってないと思う」



総司がクスクス笑いながら言うと斎藤さんが口を慎め、と眉をひそめた



「副長が売ってられた、万能な薬だぞアレを飲めば高熱など一気に下がる」


『あのね?斎藤さん…そんな薬あるなら医者要らないから…』


斎藤さん、土方信じすぎておかしいよ
いつも冷静なのに… ていうか否定しない土方も悪いけど。

ところで、大事な事を聞き忘れて
総司の方を向いた



『今日、仕事なに?』

「巡察 京の見回りって言ったら分かる?」


うん、と頷いて パァっと顔が明るくなる
だって あの浅葱色の羽織を着れるのだから 流行りの物ではなくて 逆に古めかしいって言うか 田舎って感じの羽織
なんだけど…でもカッコイイんだよね
アレ…。



「嬉しそうだね、じゃあ行こうか?」

『おう‼︎』



思わず立ち上がって部屋まで走って羽織を取りに行こうとすると

若いなー と広場からおじさんたち
(原田、新八)の声が後ろから聞こえてきた気がした。