☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華


「おい、鈴」

呼びかけても起きない ため息をついて鈴を 酒を片手に抱き起こした


『ん、う…』


しっかりと、腕に抱いてクイッとあごをあげた 柔らかそうな唇から吐息が溢れている。


どうやって飲ませるかな、口開かねえからな。と思いながらおちょこを眺める


すると、鈴がまた薄っすらと目を開いた
濡れた瞳が俺を捉えると抵抗のつもりか 体をよじらせて手を俺の襟に置いて
きゅう、と握った




…よし、零さずにコイツに全部薬を飲ます方法が浮かんだ



『やっ…』

「動こうとすんじゃねえ」


逃げようとした鈴を強く抱き寄せて
石田散薬を熱燗と一緒にグイ、と
自分の口に含んだ


『んっ…う…』


淡い唇に自分の唇を寄せて、少し力の入った口をこじ開けた あやすように、
優しくしてやると 鈴の目が閉じてしまった。


『……ん…は…っ…』


この状態で寝たか、まあいい
そのほうが後が面倒じゃない






流し込む様にして薬を飲ませると、
コクン、コクンと喉が動いた
やがて 鈴が薬を全て飲み干した


鈴から唇を離すと そっと布団に
鈴を横たえた


『…』

やがて、また寝息が静かに夕日に溶けた