土方side


チリン、チリン



夢心地の中布団で眠りかけていると廊下から鈴の音が微かだか聴こえた。


あいつは、もう起きたのか
寝返りをうちつつ、ぼんやりと考えた



昨日はあの宴会の後夜、遅くまで仕事を仕上げていたので今日の夜はゆっくりできるな…



ふわあ…っとあくびをしてから髪を後ろに倒して上半身を布団から上げた。



昨日といえば鈴は大丈夫だろうか、あんだけの酒で泥酔とは軟弱だとは思うが、少し赤い頰やら、潤む黒白の瞳は吸い込まれそうなくらい美しいかった



おそらく生娘であるあの小娘を男と思っても襲いかかるやつも出てこないだろうか?


そう思うと途端になぜか鈴が頭から離れなくなった、…なぜだ?

べつにいいじゃねえか、たかが小娘。襲われたって知るよしもねえ。
…逆にあの小娘に新撰組隊士を殺られるかもな、人斬りだしな。


自分を守る刀はあるだろうから問題ない。と自分の中で決めつけても



月光に照らされた美しい
黒髪が、そして物憂げそうな
あいつの顔が脳裏に何度も
浮かんでは消えてを繰り返した