☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華




「ったく…宴会なると毎回毎回
お前が騒動を起こしやがる…自重
しねぇか自重を!」
「いやだってしょうがないじゃないか、
あいつらが言ってきたのが悪い…」



宴会なのに土方に酒を片手に説教
される、今回のは長そうなので
総司も助けてくれないし。
いじけながら正座した膝の上に
手を置いて チッ、と舌打ちする

周りは楽しそうなのになんで
私だけ怒られるの

ちらり、と土方を見上げると
長々とため息をついていた


「はーいはい。自重します!!
副長の仰せのままにっ!」

早く説教を終わらせて欲しくて
冗談半分に言うと、土方は酒を
飲みつつ じゃあ、と言った


「酒の肴、もう一品作れ」
「え、ああ。」


ふと、土方の横を見ると肴の器が空だ
これで説教が終わると思ったら
土方が付け加えた。



「さっき作ってたのでいい…悪く
なかったからな」

私の顔を見ずに 土方が 言う

かけられた言葉が意外すぎて
私は目をパチパチ、と瞬かせた
土方はなかなか褒めることがない
それに、 料理の事なんて褒めて
くれる男じゃないのに。



「あ、うん。」


土方の横顔を見ると、なんだかいつも
と違うような気がした

いつもより、穏やかな横顔だった。



こく、と頷いて 席を立つと 私は
小走りで 勝手場に向かう


どく、どく。


さっきから心臓がうるさい


悪くない、と言った土方の顔とか
酒を飲むと 流し目になるとことか
笑う時に 目を細めるとことかが、
頭の中をグルグル回る


「あ、あれ?」


勝手場に着いて包丁を掴むと、
なんだかふわふわ手がおぼつかない。

カァ、と顔が熱くなる

「う〜…熱でも、あるのかな」


先ほど作った酒の肴を思い出しながら
作っていると、いきなり目が真っ暗に
なる。 びっくりして手を止めると
聞きなれた 飄々とした声が
語りかけてきた。


「だーれだ」
「…包丁握ってる間に目隠ししてくる
馬鹿で阿呆な沖田総司こん畜生。」←
「はずれー、答えはお団子はもちろん甘味大好き沖田総司でしたー。」←
「無駄に長い、そしてウザイ」


目隠しの手を外されて 後ろを振り返る
と案の定ニヤニヤと笑っている総司
が立っていた。

「なんだよ、なんか用?」
「なんだか、鈴が顔を赤くして
走っていったから どうかしたのかな
って思って」


気にしていたことを指摘されて
顔をむっ、とさせると 総司が
私を見透かすように目を細める


「それに、どうしたの?いつもなら
俺が背後に立つと 絶対に気づいて
声かけるのに。 」
「…あ」

総司が ニコニコと笑いながら言った
そういえば、確かにいつもなら総司に
気づいてるはずなのに、まったく
わからなかった。

「さ、さあな…雨に濡れたから
熱でもでてるかも。」

酒の肴ができ上がって ほっとしながら
それを持つと、総司がそれをつまんで
つまみ食いした

「ふうん?…そう。たぶんそれ、
違うと思うけど…」


癪だから、教えてあげない。


総司は それだけ言うと ふらり、と
また広間に戻って行った。
私は総司の言った言葉に首を傾け
ながら 土方に酒の肴を持って行った