☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華



身支度が整い、髪をまた 結い直して
広間に行くと 料理がズラリと並んで
いた。



『へ〜、随分作ったね』

感心して声を上げ、盛り付けて
ある料理を覗き込んだ

「鈴、大丈夫?風邪ひいてない?」


料理を運んできた総司が 珍しく
心配をしていたので 威勢のいい声
で もちろん、と答えた


『料理頑張ってるんだなぁ、ふーん。』
「まあねー、鈴 暇なら手伝ってよ」

まぁ期待してないけど、と
総司が笑いながら私の手を引いて
勝手場に引っ張って行った


勝手場に着くと総司と斉藤さん達が
買ってきた食材が所狭しと並んでいる
どれも鮮度が良さそうで美味しそうだ

「…ふーん。」
「手伝ってくれたら桜餅、また買ってきてあげるよ」

総司がニヤリと笑いながら言った
そんなに料理も苦手じゃないので
悪い取引ではない。

よし、乗った


「…それなら包丁も持ってきてくれないか?手伝ってやろう」
「え?本当?」
「ああ。」




ーーー


「な、なんだよ!?いきなりッ」


廊下側から平助の悲鳴のようなものが聞こえる、広場にはもうみんなが集まっていて残るは主役の平助と迎えに行っている原田と新八だけだ。


平助はまだこの宴会の事は知らない
やがて現れた平助は目に布をまきつけられていて、新八と原田に押されながら
部屋に入ってきた


「目隠しとっていいぜ」


原田が言うと 平助がぶつくさ言いながら自分で目隠しを取り外す


すると、目の前に広がる
ご馳走に目を見開いた。


「な、なんだよこれッ!?
今日何かの宴会なの⁈」

「それはアンタのだ、平助。」

「早く座りなよ」


驚く平助を尻目に斉藤さんと総司は
ちゃっかり目の前のご馳走の前に
座っている。

まあ、私も座ってるから人のこと
言えないけどな


「平助の回復祝いだ、今日は無礼講
だぞ!飲め飲め!」
「まあ、そう言うことだ。」


威勢よく近藤さんが言い放って
横に座った土方が 珍しく顔を緩ませ
ながら言った。

平助はあっけにとられて固まっている


「お、俺の?」「そうだぜ!
いろいろ大変だったんだからな!」
「そうそう!感謝しろよ?」


口々にみんなが よかったな、や
生きててよかった。と言うので
平助が 目を真っ赤にして 酒の入った
器を掲げた


「あ、ありがとな。じゃあ


乾杯!!!」

「「「乾杯ーーーっ!!!」」」



夜が深くなるにつれて みんなが
笑いながら 平助がどんなに心配だった
か、と語り出した


「本当、死んだかと思ったもん」
「やめろよー!縁起でもないな!」

私が笑いながら言うと平助も
笑いながら 私の背中を叩いた

でも、本当に死んだかと思った。
もう仲間を失いたくないものだ


「そういえばこの料理誰が作ったんだ?すげぇ美味いけど。」
「ほとんど鈴だよ」

総司が団子食べながら平助に答えると
平助は驚いたように私を見つめた
何か失礼じゃないかそれ、私が料理できないみたいな顔。

「なんだよ平助、文句でもあるのか」
「いや…鈴も女だったんだーって。」
「失礼だな!!」


宴会の場がワッ、盛り上がる
みんなこれを女中さんが作ったかと
思ったららしい。

「えー!?これ鈴が作ったのか!?」
「ああ、その酒の肴も煮付けも、
それにおひたしだって私が作ったぞ」

みんな口々に意外そうにつぶやく
私はみんなをにらみつけながら
拗ねるように 言った。

「なんで私が料理を作れないと思ってたんだ」


「「「ガサツだから」」」


声を揃えた奴らに刀を向けて
土方に怒鳴られたのは言うまでも
ないだろう。