☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華


振り落とされないようにしがみついていると、やがて あっと言う間に屯所に着いてしまった。

そして、戸口に降ろされる。


『…あ』 「主人ーーーッッ‼︎‼︎」





戸口で着物の水を絞っている土方の背中に すごく小さい声でお礼を言おう
とすると 美夜が全速力で走りながら
人型の姿で私の手を引いた


「無事におかえりなされて美夜は嬉しいです‼︎主人…、早くお風呂に入りましょう準備は整っています。」
『え、あ。』
「さあ、早く早く。」



背中に背負った酒をもぎ取られて
お礼も言わずに私は美夜に引きずられて
誰もいない脱衣場につっこまれた


『ふ、ファックショーイッッ‼︎』


ぶるり、と体を震わせて 思いっきりくしゃみをする。いけない、このままだと風邪をひく。


髪飾りを チリン、と外して
髪をばさりと下ろしてびしょ濡れの
着物を脱ぐ。


そういえば土方はどうするんだ?
アイツ、私と同じぐらい濡れてたし。

心配になって 布を体に巻きつけ
美夜を呼び出す。




『美夜、土方もびしょ濡れなんだがどうするんだ』「あまり濡れてないから 後でいい。とのことです」
『…⁉︎そんなはず…』



言い募ろうとしたが美夜は聞く耳を持たず、私はまた 風呂に入れられた。
そして十分暖まらないと 怒りますから。と、クギを刺された。


湯気で白くけぶる中、私は俯いていた。

助けてくれたのに。


アイツにお礼も言えてない


いつからだろうか。


土方が憎かったはずなのに、こうやってなにかやらかしてしまった後
最近、ものすごく後悔するんだ。


初めの頃は…なにかやらかしてしまっても丸投げしてたし。自分が悪くても認めなかったのに、いまさらだけれど



確実に、土方は私を探すために
たくさん走って、たくさん探したはず。





『…失望、したよな。
あんな…情けないトコ…見たら…』


ほのかに月の光が差し込む
暗い風呂の湯船の中で 私はバシャッと顔に湯をかけた。



『…きらいに、なったかな』




使えない隊士なんて、新選組には
必要ないしな…私、雷 大っ嫌い
でも…そんなことなかったら土方は
濡れなかったし。私を迎えに来なくても良かった。




そう考えると、体から血の気が引く
気がした。





嫌われるのかな







ヤダな









土方に、褒めてもらいたいのに。







そんな逆のコトして。










『…う〜…ってゆうか!!
なんで私、こんなウジウジしてんだ‼︎
土方に謝りに行けばいいじゃんッ
…たぶん、ゆるす、よな!』



バッシャ‼︎、と湯船から飛び出して
ほどほどに体を拭くと 即座に
着物を纏って 脱衣場から飛び出すと
空はもう雨は降ってなかった。