『ふぁ…眠い。』
今日の夜は1番組が巡察の当番だった
あくびをしながら総司についていくと
ザワザワと 向こうの方が騒がしい
どうやら浪士がうろうろして
金づるになりそうなものを探しているのだろう、私が歩みを進めると
横の暗い路地に手をぐいっと引かれた
『え。』「…チッ…新選組のやつか
まぁいい、オイ お前 その刀と金
寄越せ 断ると どうなるかわかってんだろうなぁ」
男10人が私を囲む どうやら力のない
浪士のようだ 弱いものほどよく群れる
『…誰に口を聞いているんだ?
離せ、下衆ども 殺すぞ』
暗闇の中で鈴の目が光る。
男たちは背中が冷たくなった
相手は弱そうなはずなのに
殺気が まるで肌を貫くようだ
「りーん、1人は危ないよ?」
「仲間かっ⁉︎」
楽しそうな男の声が 後ろに聞こえて
鈴は ニヤリと笑って 白刃を抜いた
『きゃはははっ‼︎私を捕まえたのが運の尽きだ 総司。いくぞ』
高らかな、 不吉な笑いが
暗い夜道に 響いた
ーーー
「組長ー…うっ⁉︎」
向こうから歩いてきた平隊士が
私たちを見た瞬間そこから
動けなくなっていた
飛び散る 血の跡 むせかえる
鮮血の匂い。 月に照らされた
背中合わせに ニヤリと笑ってる
鈴と総司。
その下には血の海が広がっている
『…んん…1人は生かしてるよね』
「もちろん、抜かりはないよ」
鈴が問いながら 刀を振って
血を落としてから 刀を鞘に収める
総司は 側に倒れてる男を グイッと
持ち上げた。
『よし、今日も成果を上げたな
近藤さんに褒めてもらうー!』
「やりすぎたかな、土方さんに
怒られるかも」
二人とも 何事も無かったかの
ように 血に濡れた頰を浅葱色の
袖で拭う。
『それにしても馬鹿な浪士だな
強い奴は私の殺気が読み取れるのに
わざわざ捕まえてさ』
「あはは、ホラ行くよ」
総司が 言うとぞろぞろ 平隊士が
集まってくる みんな触らぬの神に
祟りなしと思っているのだ。

