☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華



さっきの騒動の後 鈴は風が
よく吹く屯所の屋根に転がって
美夜を抱きながら 青空を見ていた

美夜が気持ちよさそうに喉を鳴らす
風が吹き抜けて桜の花が散っていく
ひだまりはあったかくて心地良い


『ふわ…ぁ…』


あくびを1つして こんな穏やかな中でも
私は故郷のことを思い出していた


『ねぇ、美夜 私の家の家族がいない事は知ってるよね』


美夜が 猫の姿のまま 青い瞳で
私を見上げて 頷いた

『私、新選組がちょっと落ち着いたら
里帰りでも…したいな。多分いろんな
もんもあるだろうし ずっと放っておくわけにはいかないから』


にゃあん。と美夜が鳴いて
すりすりと身を寄せてきた フワフワ
の白い毛が温かい


『…うん。私 行くね そのときは
美夜も連れて行ってあげるから
…行くのは冬ぐらいにしようか
帰ってくるのは桜が咲くぐらいの時に』


空を見上げる 大丈夫。
私は もう 強くなったから


風が 鈴の髪を撫でるように 吹いた
チリン、チリンと金色の鈴が
心地よくなって 前髪を揺らす


『…もう一眠りする、するか』


ころん、と屋根の上で寝返り
を打って 瞳を閉じる
あぁ…あったかい。