☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華



屯所の大掃除から3ヶ月。
今は西本願寺に屯所が移転した
だから伊東さん会うこともあまり…
ない、と言いたいところだが広い
屯所の中でもあっちが探してくるので
最近はよく会うようになっている。
正直、鬱陶しい。


季節は秋。 まだ楓は青いが
それでも美しい…。赤く染まるのも
時間の問題だろう。


『前の所よりも随分広くなったけど毎日歩いてればさすがにも慣れたなー。』


前の屯所よりも広い庭でくつろいでいると爽やかな風が髪を揺らす。


『…あ、平助。』


屯所の外から 隊士達が帰って来た
その中から平助を見つけて手を振る

『平助ー!』「…あ、鈴」


平助は近寄ってきてニッと笑う
平助は最近江戸に行っていて巡察は
久しぶりだったのだ。

『どうだった巡察、成果上げれた?』
「一番組みてーに 激強じゃねーからなあ。まあまあかな」

平助は新選組の羽織をはためかせて
言った。平助も十分強いのだが、やはり1番組みたいにはなれないらしい。

『ふーん、どうだった。久々に
京の巡察は…変わってるとこある?』


面白半分に聞くと 平助は予想以上に
真剣に答えた。顔は、少し暗い


「うー…ん。町も人も…結構変わった気がするな。」


『…平助?』

平助の表情には私に笑いかけてくれたときの笑顔は無い。どこか平助らしからぬ懐かしそうな、寂しそうな表情に私は首をかしげた。

「ん?」


平助は、ハッとして顔を上げた

「そういやあ…鈴。伊東さんが
宴会に行かないか誘ってくれって
頼まれたんだけど…俺と一君行くけど
一緒に来る?」

『えー…!幹部全員じゃないなら
行かない。』「……そ、そうか。
わかった。伝えとくよ」


平助は一瞬だけ寂しそうな顔をして
屯所内に入っていった。 私はまた
首を傾げて おかしいな。と思う

斉藤さんも平助も…伊東さん好きだっけ?まぁ別にいいけどねー人の勝手だから。



いろんなことを考えながら
鈴は秋の日差しを浴びて
うつらうつら、と庭で日向ぼっこした。