☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華



私は 綺麗になった 大部屋に
寝っ転がって 伊東さんが入って
来た日を思い出した。



ーーーー


「伊東、甲子太郎ですわ…よろしくお願いします」


たくさんの門下生を連れて 伊東さんは
平助に連れられてやって来た。
伊東さんは みんなをみて 黄色い
声を上げた。


「まぁっ…みなさん!美男子揃いねえ…」

まっさきに 総司、土方を 見つめて
伊東さんはウットリとした。


「あなた、お名前は?」
「一番組組長沖田、総司ですが」

総司が 嫌そうに 後ろに行こうとするが
ガシっ、と腕を掴まれている

『うわ…』

可哀想に、と思いながら 総司を見る
なんだかこの人男の人好きっぽい…
鈴は庭から 部屋の中を見ていた。
中に入るのはやはり幹部だけだからな。

「きれいな肌ねー…若いっていいわねぇ…あなたは?」

伊東さんが総司の肌を触りながら
土方を見て言った。土方は ハア?
と言うような顔になって言った


「新選組副長、土方歳三だ」
「あらあっ…あなたがトシさん?
随分と男前ね!色気がいいわぁ…」


ゾクゾクゾクッ…と、土方と総司の
背中に悪寒が這い上がる。
そして伊東さんは 庭の遠目から見ていた私を見つけた。


「あら、あの子は」「あ?…ああ、アイツは幹部じゃねえぜ」

『?』


随分と離れていたのに 気付かれたのか。
みんなが慌てて 気をそらそうと
するが どんどんと伊東さんが
私に近づく。


そして…。





「あらあらっ…」『…?なんですか』


伊東さんは 私の前に立つと ぽおっと
頬を染めた。

「爽やかな青年も、色気もある人もいいけれど…あなたッ…かわいいわねえ‼︎新選組屯所は色男がよりどりみどりね〜」


髪にベタベタ触られて 私は怪訝に
なりながら 伊東さんを見上げた


「あなた、お名前は?歳はいくつ?
恋仲のいい人はいるの?」

『えー…華山、鈴です。16です。
恋仲はいないです。』


「あらそうー!私がおしえてあげても
よろしくてよ‼︎」『謹んでお断りします。私、そういう趣味じゃないんで…』
「遠慮なんていいのよぉ!女より男の方が美しいんだからぁ」
「伊東さん、鈴はただの平隊士なので…あちらで話でも」



土方が額に青筋を浮かべながら言うと
伊東さんは私を引っ張り 部屋に連れ込んだ。

「仲良くしましょうね〜、私 あなたの事気に入ったわぁ。あ、それと総司君も土方君も!」

『…はぁ。』「…はい。」「チッ」