☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華


やがて屯所に帰ると 開口一番

『美夜ぁああーーッ‼︎』と、
自分の愛猫の名前を呼んだ。

しょうがないだろう もう何日も
猫をモフモフしていないんだから
飢えるのは仕方ない。

すると土方はため息をつきながら
こっちだ、と私を呼んだ

ついていくと土方の部屋で
よく風のあたる場所で美夜が座って
いた。私は小さく笑って美夜
を抱き上げる。


『美夜ぁ…ごめんね、ただいま。
寂しかったよね』

「まったくだ、美夜に土下座で
謝っとけ」

土方が 毒づきながら 自分の書物を
整理しながらこちらを見てる。
話かけると美夜は ニャア、と
嬉しそうに鳴いた


『…あんまり寂しそうじゃないね
猫好きの鬼副長に遊んでもらったのかなぁ?』「あ”あ”?遊んでねえよ
猫好きでもねえよ」


嘘つけ、と私は笑う だって私が前使っていた 美夜の餌入れの器が土方の部屋に
置いてあるんだもの この子の世話をしていたのは 隊士達に恐れられる
鬼副長殿だ。


『ふふ、帰ってきたって気がする』
「…フン。」


土方はそっぽを向きながら また
鼻で笑った。 夏の青い空が眩しい
でもそろそろ涼しくなる季節だろうか。

『夏空の なくなりし物 見つけたり』

「下手くそ」

一句詠むと すぐさま土方に叩き
落とされて頰を膨らます

『お前に言われたくありませんー!梅よりマシですー‼︎』「うるせえっ」

また喧嘩になりそうだったので
美夜抱きかかえながら部屋を出た。




帰って来て、良かった。