朝日が昇る前の部屋
鈴は一人 あの時に着ていた着物
を見つめていた。

血で汚れた着物は綺麗に洗い落とし
赤に染まっていた刀は光を
取り戻している。いつでも人が斬れる
状態に。


…うん、もう大丈夫
血は落ちているんだ、みんなに
許してもらっている。
自分にそう言い聞かせて サラシを
胸に巻いて 着物に袖を通した

そして自分の支度が整い
最後に自分の長い髪を赤い紐で
高く結んだ。


そして鏡を見て思う、嗚呼
やっと私は前の自分に戻れたんだ。



私は廊下を出て 部屋に戻り
朝日が昇ると同時にみんなで
屯所まで帰った。