散々舞を舞って、私は外を見ていた

島原は 賑やかで、楽しそうに話す人
嬉しいそうにお菓子を買う女の子やら
人が沢山だ


その中でも鮮やかな 青を見つけた。

あぁ 今は巡察の時間なんだ。と思う


私は 窓からを身を乗り出して、下を見る
と浅葱色の 隊服。


新撰組だ。



ドキドキしながら それを見た

私もあそこにいたんだ。



『気づかないかな…
あ、でも 幹部じゃないから 気づくわけ
ないか。』

うーむ… なんとかして隊士に私を、

あれ?なんで私こんなこと思ってるんだ
どうして気づかれないかと思っている?


え? 帰りたいから?


ほざけ、私はここでいるんだ。
ここに居たいから、ここにいる。


この欲望の街 男の天国 島原で。

変なことには手は染めないけど、舞なら
なんとかやっていける。

…ていうか、儲けてる。


新撰組に居た時の給料より高い位だ



『あ…れ?』


自問自答して隊士をガン見していると
1人の男が上を見た。

下は、お店の灯でよく見える

『…⁉︎…総司っ…』

上を見ていた 人物に気づいて
慌てて首を引っ込める。
ど、どどどど どうしよう、顔見られたかな⁈ガン見してたよアイツ⁉︎…怖っ←
アイツ土方と同じでカンが働くからな…くそう、悪鬼だ。…確認しないと、だよな…。



『…』

そーっと、また 覗いてみると
総司は 平隊士と屯所方面に歩いて
行ってしまってる。

『…気づかれて、ないよな ここ、三階だしな…どうしよう…ここも居場所無くなったらまた…』

今は、仕事の休み時間だから 杏里ちゃん
の部屋で 面被らないで 外見てたから
な…。

腕を組んで ブツブツ言っていると
杏里ちゃんが 襖を開けて 廊下から
私を呼びかけた。


「椿さん、仕事どすよー、」

『ひっ⁉︎…あ、うん』

あ、あ…杏里ちゃんか、びっくりした‼︎
今刺激に弱いから…(汗)

私はあわてて 狐面をかぶり
舞扇片手に 杏里ちゃんと赤い廊下を
歩いていった。



「どうしたんどすか?そんな慌てて」
『あ、いや ちょっと 悪鬼見ちゃったから…』「あ、悪鬼どすか?」

とっさに答えて、自分で自分を
馬鹿だと思いながら 顔を振る

『気にしない、で』
「は、はあ …お大事に…」