1ヶ月ほど経って 私は仕事に慣れてきた
だが顔を見られてしまったせいで
男の人たちはどっと増えた
私の面の下を見ようと。
正直、気持ち悪い
『傾城椿舞姫』
こんな名前も付けられて。
いつの間にか看板娘にされている
たしか、意味は…城が傾くほど
美しい舞姫、だった。
目が腐ってます
眼科に行きましょう。
(↑ねえよ)
と、心の中にしまって置く
私は舞を舞って がんばっている
だけど忙しい日々の中でも
あいつらのこと忘れられないんだ
あいつら、私のことを探してるのかな。
…探してるわけないか。
裏切り者だもんね
目を伏せて私は 横の男に酒を注いだ
「のう、椿舞姫。顔見せてくれないか」
『私は舞姫ではありません、しつこいですよ。ただの椿です』
「まぁそう怒るな、美しいのだろう?」
男は私の顔に手を近づけるので
舞扇で叩き落とす
『触らないでください』
キッ、と睨むと 鼻の下を伸ばした男が
ぐふふ、と笑った
「冷たい女もかわいいのぉ」
『…はぁ。』
ぞぞぞ、と背中が冷たくなる
気持ち悪いよ⁉︎アンタ…
触るな、触れるな、近づくな。
はーー…この仕事も楽じゃない。

