夜の帳が島原を包んで 妖しくも美しい 光が浮かぶ 島原の中でも大きい天月亭 の 紅く、艶っぽい廊下を歩く 狐の面を つけた、なんとも奇妙な女がいた。 歩く姿は 凛として、顔が見えなくても 香り立つような美麗。 白い肌に、紅い着物が艶やかに 映える。 けれども、雰囲気が冷たい。 まるで、その女の周りに雪が舞って いるような。 チリ、チリン。その女から鈴の音がする 腕に 可愛らしい鈴のついた 髪飾り。 本当は可愛らしい音なのに 寂しく聴こえる のは 何故だろうか。