☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華


私は血に汚れた階段を上っていった
階段には肉の塊が転がっていた。

おそらく、数十分前まで人間だった物。

私は その屍を乗り越えて 前に
進んだ。



嫌な予感がするんだ。




チリ… チリン…。


鈴の音を鳴らしながら 暗い
汚れた廊下の先に進んで


その先に居たのは。



『!』


総司と、浪士が1人…それに少女。

「だあ…ああッ‼︎」 「ぐっ…」

金属と金属が触れる、鋭い音
闇夜の中 月が部屋の中を照らしていた


「…長くないぞ!その命ッ
沖田総司ィッ」

「うるさいっ‼︎黙れええッ…‼︎」

驚いた、総司がこんなに乱れているのは
初めて見た。 それに、命が長くない。
とは…どう言う意味だ。


部屋の中をぐるぐる見渡すと
倒れていた浪士がヨロヨロ起き上がって
総司を睨みつけていた。危ないッ…


ガタンッ、と襖を開けて 中に踏み込んで
起き上がっていた浪士を切り殺した


血が 赤黒い模様を壁に描く。

『死に損ない、黙って寝てろっ』


その声を聞いて 総司がこちらを驚いたように見た、その口元には 血が飛び散っている。すると前にいた男が

ニヤリと笑った。


「うおおっ」


男は総司を切り付けたが 総司は
身を翻して それを受け止めた


「どりゃああッ‼︎」
「ウグッ…‼︎」


ガンっ…

だが総司の体が傾いた、そこを男は見逃さず 凄まじい脚力で 総司を壁に蹴り飛ばした。



『総司ッ』 「う…ゲホッ…カハッ…」

総司は床を転がって 激しく壁に打ち付けられた 起き上がろうとしても起き上がれないどころか、 口から血が流れた



『テメェ‼︎よくも 総司をッ』

恨みのこもった目で睨みつけると
男はニヤリと笑った。
その顔には見覚えがあった



両親を殺した アイツだ。間違いない。


『〜…‼︎貴様ッ両親と総司の仇…
命を頂戴するッ』


「む、お前は…?華山家の娘か
青嵐に似て…美しいな。」


男は私の顔に見覚えがあったらしく
ほくそ笑む。青嵐とは、私のお母さん。


『死ねええええッ』


ガシャーンッ‼︎と刀が混じり合う音が
激しく響いた。



「う…くそッ」『…だああッ』


ひたすら刀で攻撃を繰り返し
尾崎清太郎を怯ませる。



ダダッ…と下が騒がしくなってきた
すると、部屋の襖が思いっきり開けられ
る。



「おいッ 大丈夫か⁉︎」





土方が、来てくれた。 ああ、平助達
助かったんだ。 良かった。

私はすぐに振り返りたくなる衝動を抑えて、目の前の罰すべき極悪人を睨みつけてる


「総司‼︎大丈夫か⁉︎」

土方は 部屋の隅に転がった 総司の容体を確かめるべく 部屋の中に入ってくる。


尾崎は仲間が 応援に来たのに気づいて
余裕が無くなったらしい。



「うぐ…まだっ…兵器は有るッ」

尾崎清太郎は 全力を出して私の刀を跳ね返し 少女の白い布をに手をかけた。


シュルっ… 衣擦れの音が部屋に響く
その少女の目を見ると。



赤かった。













ふらり、と自分の体が揺らいだ。







もう少しで、憎き尾崎清太郎を
殺せていたのに。






「⁉︎…おいッ鈴?大丈夫かっ」







最後に、土方の低い声が





聞こえた気がした。