☆*:星降る夜に鈴の音.:*☆誠の華


総司side


池田屋の2階へ上がると 浪士たちが
襲いかかって来るが 刀を握りしめて
血飛沫を上げる。


「ん…っ ごほっ…けほッ」

部屋の中が埃が凄いのか 咳が何度も
出る。それを押し込めながら 暗い
廊下を注意深く進んだ。



血に赤く染まった刀を振って 血を落とす
少し、眩暈がしてきたが 総司は
1番奥の部屋に進んだ。


ギシ、ギシ

「…。」


軋む廊下のところから奥の部屋を
覗くと 中に二人ほどの影が見えた。


バンッと襖を開けて中に入ると

1人は人相の悪い男
もう1人は目に布を巻いた少女だった。


「ふん、お前は…沖田総司か?」


人相の悪い男が 俺の顔を見て言った
傲慢な口調に少しイライラしながら
ニコリ、と笑みを浮かべた


「そうだけど、アンタは?」


「俺か?…まあ、教えてやろう。
冥土の土産としてな、俺は尾崎 静太郎」


男はニヤリと笑いながら言った


「ふうん?…冥土の土産にはならないけど 覚えとくよ。」


刀を構えて、総司は音を出さず
畳を蹴った。


ガシャンッ!ガチッ…

闇に白刃が輝いた。
交わる刀と殺気に満ちた瞳。


「だああああッ!」「ふんっ!」


上段から切りつけようとすると
尾崎に刀を受け止められた。
そして尾崎は口角をあげた


「その程度か」


言われた瞬間、総司は 刀に力を込める
その程度?



カンッと 刀を弾くと 喉から何かが
込み上げてきた。



「う…⁉︎グッ…ゲホッゲホッ…」


慌てて 口元をおさえて、おさえていた
だんだら模様の袖を見る。




赤黒い 血が そこに付いていた。



「っ…⁉︎」 「ほう…?お前、病持ちか…その血が出るまで放っていたのか?
先は長くないな。」



病?自分が…? 目を見開いて自分のそれを凝視する。


違う、俺はまだ戦える。
近藤さんのために、新しくできた
仲間の為に。 俺は…まだっ…





「…っ!まだッ戦えるっ‼︎‼︎」




ガシャンッ…‼︎