薄ぼんやりと周りの風景が見える。


真っ暗。


漆黒の闇に支配されたここは本当に現実なの?


・・・そんな疑問でさえも浮かんだ。


考えてもわからない・・・。


「・・・久しぶり。


後世の巫女さん。」


酷い頭痛がする頭を押さえながら声の主を探す。


「無理はしないで?」


声の主は木葉だ。


「・・・あんた達、呪いを止めようといろいろしているみたいだけどさ・・・。


私の呪いを解くには条件がいるのよ?」


「条件・・・?


それは何?」


「・・・聞かないほうがいいかもしれない。


それでも聞く?」


「・・・ええ。」


「条件は、夏神村の神社の広場で妹の首を姉の手で絞めて殺す。


あんたたちでいえば・・・沙捺って子の首をあんたが絞めて殺すの。」


・・・心の片隅では思っていたけれど面といわれるととても悲しい。


「いいわ、殺した後は呪いの力を少しだけ無効にしてあげる。


思う存分泣きなさい。」


口を堅く結ぶ。


妹・・、いくら呪いの力を持っていようと殺すなんて・・・


私には出来っこないよ・・・


「・・・ふふ、意識を体に戻すわね。


目をつむりなさい。」


私は目をつむる。


目をつむる間、視界は闇に支配される。


心には不安、悲しみで満たされた。


ねえ・・・、殺さなければならないの?


嘘だといってよ・・・嘘だといってよ・・・!


ねえ・・・!


お願い!