とりあえず、緊急打開策。
行きつけの古本屋へ避難。


外に出ると、外気は相変わらずぬるっと肌にへばりつき、私を容赦なく不快にする。

自転車に乗り、風を切って走らせる。ほんの少し気温が下がったような感覚で、自分自身をごまかした。


『家のブレーカー落ちる(>_<) 
緊急避難 
近所の古本屋へ直行 
外はヤッパ暑いよー』

信号待ちでツイッターを打ち込んだ。

カリスのハンドルネームで書いているツイッターは『ナイトの国』の数十人がフォローしてくれているが、リプのやり取りはほぼなく、真に独り言だ。


自転車で走ること、約10分。私のオアシス、古本屋へ到着。暑さにふらつきながら、駐輪場に滑り込んだ。


自転車を停めていると、遠くから見たことのある集団が近付いて来た。目を凝らしよく見る。間違いない。私のクラスメイトだ。男女合わせて10人はいる。


特別、後ろめたいことも無いが思わず外階段の陰に隠れる。と、耳に入るクラスメイトの会話が徐々に大きくなり内容が聞き取れるようになった。


「カラオケでいいんじゃね。
昼もそこで食べようぜ。
その方が安いよ」


「えーー?
でも、あそこのカラオケ屋、ピザめっちゃまずかったよ。
私、ファミレスの方がいいなー」


「でもさ、混んでるんじゃねぇ?
人数、入れっかな。
今日の打ち上げ、何人来るんだ?」


「山田達は駅で合流だろ?
和久井は塾行ってから来るから場所決まったらラインしてって」