「探すなよ?」
「むっ…」
雄大は左手の親指を他4本で
あたしの頬をつまんで、
そういった。
「んーっ」
「よし、おっけい」
「…っもう!おっけいじゃないよ!」
「あはははっ、
おもしろかったぞ、あの顔」
「…雄大もばーかっ」
「ふんっ、俺はどうせ馬鹿ですよーだ」
「認めた!」
「だって馬鹿だもん」
「知ってるよ」
雄大と言い合いをしていると、
百華が口を挟んだ。
「ちょっと2人とも…」
やれやれ、とでもいうように
深いため息いをつきながら笑う百華。
「だって雄大がさ…」
「まぁ舞もそのうちわかるんじゃん?」
…そればっかりだよ、百華……。
言ってくれなきゃ、
あたしだってわかんないもん。
「ねえ、雄大くん?」
「うっせ」
雄大はそういって
少し顔を赤くして
スマホをいじりだした。

