「それに俺、
好きな子いるし」
「えぇ!?」
その声に大きく反応したのは、
あたしだけで。
百華は冷静だった。
「えっ、あたし知らないよっ?」
「そりゃ言ってなかったし」
「え、待って待って!
なんで言ってくれなかったの?」
「言うタイミングなかったし」
「メールとかあるじゃん」
「めんどくさいもーん」
はあ、とため息をついて
あたしはイスに座った。
雄大、好きな子いたんだ~…。
幼馴染のあたしに
教えてくれなかったのはショック。
「百華は知ってたの?」
「もうとっくの前から」
「え、そんなに?」
「お前余計なこと言うなよ」
「あは、ごめんごめん~」
なんか、なつかしいな、
この2人の感じ。
「まぁその子が気づくのも
時間の問題よね~」
「ばっ、お前ふざけんなって!」
「あははは~っ」
あたしも笑いながら
2人の話を聞いていた。
「ねぇ、その子って
あたしの知ってる子?」
「…だって、雄大。
答えてあげなさい」
「……知ってるよ」
「へ~」
…ちょっと、探してみよっかな!

