グイっと
誰かに腕を引っ張られて
あたしの体は、
降りる人たち軍から
逃れられた。
「…危ないよ」
「…っあ、ありがとうございま…っ!」
顔をあげると…。
な、ななななんでっ?
なんで、なんで慧太くんがいるの…っ?
え、あたし、
慧太くんに、助けられたの…っ?
「…あ、君ってさ……」
「…っ」
慧太くんもあたしに気づいたのか、
あたしの顔をみている。
南海高校の制服を着た慧太くんは、
4か月前よりも
髪の毛が少し伸びていて、
身長が少し高くなった気がする。
「久遠さんだ」
「…っあ、は、い…」
「なにかと久遠さんって危ないね。
前も俺とぶつかったし」
笑いながら言う慧太くん。
笑顔は、相変わらず輝いている。