入学して数週間。
いまだにメールをおくれていません…。
莉子に話したら、
早くしなさい!と怒られて…。
あれから結構話すようになった
越沢くんにも、
え、なにしてんだよ~、
と呆れられてしまった。
越沢くんには、
慧太くんが好きって言ってないんだけど、
なんか気づいてるっぽい…。
「はぁ…」
「ちょっと、舞、
学校遅刻するわよ~」
「えっ!あ、いってきます!」
ソファに座って
ボーっとしていると、
キッチンからお母さんの声がして
あたしは急いで家を出た。
全速力で駅に向かうと
まだ電車は来てなかったみたいで
深呼吸をして息を整えた。
「わわ…っ」
ここの駅で降りる人が、
電車から降りてきて
あたしは流されそうになった。
でも、この電車は
反対方向だから、
この電車には乗らないから
それはいいんだけど…っ。
って、ダメだ、ダメ!
もうすぐ電車来ちゃうのに…っ!
頑張ってたっても
行きかう人に肩をぶつかられ
バランスをくずしてしまう。
「…っわあっ」
「おいっ!」