あの日、あったことを
あたしは莉子に全部話した。
「へ~…、すごいね!
なんかおとぎ話みたい!」
「…馬鹿みたいなんだけどね…」
「ううん、すっごい素敵だと思う」
「え…?」
莉子と目を合わせると
莉子は真剣な瞳をしていた。
「その日以来あってない人に
こんなに好きになれるって
すごいことだと思うよ。
あたしだったら忘れてるもん」
「…」
「あたし、応援するね!」
「莉子、ありがと~」
莉子の言葉が嬉しくて
あたしは莉子に抱きついてしまった。
莉子は笑いながら、
頭を軽くポンポンとしてくれた。
「あ、ついた」
莉子と話してるうちに
今日から1年お世話になる教室についた。
教室に入ると、
グループができていて。
たぶん同じ中学校の子で
集まってるんだと思う。
グルっと教室を見渡して
みんな友達と楽しそうに話してるのをみて
あたしは少し
気が楽になった。
楽しくやって行けそう。

