「何年お前と一緒だと思ってんだよ!」
「…っ雄大」
「俺に隠し事とか100年早いわ」
「…あはは、ありがとう」
「うん」
「何があったかしんねーけどさ、
お前元気ないとつまんねえし」
「どういうことよ~」
「いじりがいがないってこと」
「ちょ、雄大~っ!?」
あはは、と笑う雄大。
最後の言葉は、
効かなかったことにしていいかな。
でも、雄大はすごいね。
そういうところがモテるんだね。
決して人の気持ちに
入りこんで来ないけど、
人の気持ちに敏感。
自分のことは、鈍感なんだけどね(笑)
「舞、まだ連絡ないの?」
「…うん、雄大も
何も知らなさそうだし……」
「どうしたんだろうね、佐野くん」
「うん…」
やっぱり現実はそう甘くない。
だって普通に考えて、
出会って1日で
メアド聞くなんてありえないもんね…。
馬鹿みたいに騒いでたあたし、
ほんと馬鹿みたい…。
慧太くん、あなたはあたしのこと、
覚えていますか?
…いや、覚えてなくてもいい。
だからせめて、
君のことを、好きでいさせてください。

