慧太くんたちよりも、
あたしたちの方が
手前の駅で降りる。
軽く会釈をして
あたしたちは電車を降りた。
「ねぇ、もうなんなの!?
舞、絶対佐野くん好きだって~!」
「ちょ、百華、声でかいよ…っ!」
「だってだってさ!
出会って数時間の子に、
メアド聞くか、普通!
それに、あれよ、うん!
まだ、お互い中学生よ?
なにあの、高校生みたいな出会い!」
電車を降りたとたん、
騒ぎだす百華。
声大きいよ…(笑)
周りの人にめっちゃみられたし…。
「百華、声大きい!」
「へっ、あ、ごめんっ!」
「も~、百華ったら…」
「だってさ、テンション上がるじゃん」
でしょ?とわらいながら
あたしに問いかける百華。
「そ、そりゃびっくりしたけど…っ」
「佐野くんもさ、
舞の可愛さにやられちゃったんだよ」
「ないないない~っ」
「わかんないよ?あるかもよ!」
そんな、あんなモテそうな人が
あたしのこと、
あんな短時間で好きになるなんて
絶対にあり得ないんだから…。

