「あ、嫌ならいいよ!
急にごめんな」
「え、あ、いや…」
「…」
「あ、の、大丈夫です…。
雄大に聞いてください」
「まじでっ?」
明るい声を出す
慧太くんと周りの男の子たち。
コクンとうなづくと
男の子たちは小さく盛り上がった。
「舞、よかったじゃん」
「う、うん」
小さくあたしに言う百華。
あたしは嬉しくて
下を向いて赤い顔を隠した。
「あ、つけたし。
舞、下を向くのが癖みたい。
だから気にしないで」
「あ、うん」
百華がそうフォローしてくれて
あたしはなんとか助かった。
「じゃあ帰ったらメールするわ」
「は、はい」
「敬語じゃなくていいって」
笑いながらいう慧太くんに
あたしはまた小さくうなづいた。
心臓が、走った後みたいに
バクバクいっててくるしい。
恋ってこんなに、
苦しいものなの?

