「っ」
恥ずかしくなって
あたしは目をそらしてしまった。
「あ、どうも」
当たり障りのない返事をする百華。
ひじでコツンとやられて
あたしも会釈をした。
「ほら、慧太…」
男の子が小さい声で
慧太くんのことを呼んで
ひじで突っついている。
「あのさ」
「…?」
「えーっと…」
周りの男の子は
ニヤニヤしながら
慧太くんとあたしを交互に見る。
もう、あたしも百華も
意味がわからない。
「メアド、教えて」
「…へ?」
「久遠さんのメアド」
…頭が真っ白になった。
え、あたしに言ってるの…?
メア、ド…。
メールアドレス…。
えっ…!
「ほ、ほら、舞…っ」
いきなりだったからか
百華まで焦る声を出す。

