「まだかな、慧太くん…」
「おっ、舞積極的~」
「そ、そんなんじゃ!」
「…あ、来たよ!」
「えっ」
駅のホームの
待合室で座っていたら
友達とホームに来る慧太くん。
するとそこに
ちょうど電車がきた。
「何かとあたしらラッキーじゃん」
「確かに」
百華と話していると
電車が止まって
あたしたちは乗りこんだ。
電車をかなり遅らせたおかげか、
もう中学生は
ほとんど乗っていなくて。
そして、慧太くんと
同じ車両だった。
あたしたちが座った前の席に
慧太くんたちが座った。
…向き合い状態。
「あ、さっきの子たちじゃん」
慧太くんじゃない声がして
あたしはうつむいていた顔をあげた。
…と、同時に
慧太くんとばっちり目があった。

