「きゃーっ、舞ったらやだ!」
「いたっ…」
顔を隠して
あたしをたたく百華。
「知られちゃったじゃん~っ」
「えぇ?」
「もう~、舞の馬鹿~」
「え、あたしなにも…」
「あ~あ~あ~」
1人でぶつぶついってる百華。
たぶんこれは、
放っておいた方がいい、かな。
「あの…」
「あ、はい」
横から声をかけられて
あたしはその方を向く。
「朝はごめん、駅でさ…」
「あ、いえ、あたしの方こそ…」
「え、なになに、慧太~!」
「あー、朝ぶつかっちゃって」
頭をかきながら
他の子に説明する、ケイタくん。
「あれ、じゃあ北中?」
こくんとうなづくと、
そのケイタくんは。
隣の中学校じゃん!
そう、笑顔を見せた。