「ここは、第3グラウンドで
見ればわかるとおり
主にサッカー部が使用しています」
先輩が喋り終わったとたんに、
隣で騒ぐ人、百華だ。
「ね、舞!いたよ、いた!」
「え~、どこ?」
「ほら、あそこ!」
「…あ、ほんとだ!
百華、よかったね!」
川本先輩は、
真剣にボールをおいかけている。
その姿をみて
目を輝かせる百華。
「かっこい~!」
「あははは!」
そういう百華は可愛いです。
「やば、ずっとここにいたい!」
「あはは、それはだめだよ~」
「だってさ~」
動こうとしない百華をよそに
あたしたちがいるグループは
また歩き出してしまった。
無理やり百華を引っ張って
もとの列に戻った。
「もうさ、ほんとかっこいいよね!」
「うん」
「奏羽先輩以上に
かっこいい人いないよ!」
「はははは!」
「もう、ほんと素敵~」
1人で自分の世界にいってる百華を、
おいていかない様に
百華の腕を引っ張りながら歩く。
「大丈夫?」

