「先生の名乗っている武藤姓が本家、颯の名乗っている唐沢姓が分家。
今の武藤の奥様と反りがあってなくて分家に養子に出されたの。
私で不祥事も起こしたから、武藤としてはこの事実は闇に葬るつもりだったんでしょう。
私の入院費も出していただいてましたしね、慰謝料も。
全額お返しさせていただきましたが。」
別に先生が悪いわけじゃないけど、棘のある言い方になってしまう。
先生は次男で家を継いでないから関係ないといえばないんだけど、長男さんと旦那さんがこの対応を決めたから。
お金で解決しようとしたあの2人は大っ嫌い。
そもそも颯だって、寂しい思いをしたからあんなになってしまったのに。
悩んでいたんだよ、それを知ろうともしなかった。
「私は前の奥様、つまり先生や颯の実の母親にそっくりらしいの。
颯の幼い頃お母様が亡くなって、今の奥様には愛情をろくに受けず。
私に颯は、母親を重ねて欲したの。」
「義母は父の前では俺たちに愛想は良かったが、目が届かないところでは無視だった。
幼い颯には大きな傷を残して…。
勿論、颯が君にしたことは、許されることではないけれど。」


