狭い部屋から抜け出してここに来ると、不思議と気持ちが楽になった。
「女の子は笑顔が似合うよ。」
さすが色魔みたいなセリフ言ってたな。
部屋にいると思い出す、体育倉庫の臭い、颯の声、表情…。
流れる景色を見ていると、そんな負の記憶たちも一緒に流されたようになって。
そんな男の人も何を考えていたのかな。
ずーっと空を見つめてた。
まるでお兄ちゃんのような存在だった。
病院で先生以外に唯一接することのできる男性だった。
よく話もしたよ。
いろんな話をしてくれたから、退屈することはなかったし。
コミュニケーション能力が凄く高い人で、どうして入院しているんだろうって思ってた。


