まだ衣替えしたばかりでタンスの中に

入っていた芳香剤の匂いがブレザーと

冬用のセーターにしみついている。

また一つ、新しい季節を迎えた。

いつもと変わらないメイク、いつもと

変わらない髪型で準備をすませる。

『いってきます。』心の中の君にそう呟

く。そしたら君が『いってらっしゃい。

』って答えてくれる様な気がして。

…よし。今日も頑張ろう。

って言っても何を頑張るんだろう。

毎日、この繰り返しじゃん。

自分に自問自答的になりながら靴を履く

。…考えても仕方ないっか。

まぁ何事もなく過ごせたらいい。

「いってきます。」

「いってらっしゃい。」

お母さんに見送られ家を出たーーー