だけど君は………私より先に死んだ。

私に何も言わず、打ちあけないまま、

いなくなった。なんで?ねぇ。

なんでなの?教えてよ、叶汰ーー。

* * *

だめだ。早く仕度始めなきゃ。

私はいつまで君を想い続ける毎日を繰り

返すのだろう。何をしてもつまらない。

愛想笑いばかりで本気で笑えない。

私はこれから、何を目標として生きてい

けばいい?そんなの…分からない。

もう、自分が分からない。

「今宵!朝ご飯できたわよ。」

一階からお母さんがいつものように

私を呼んでいる。よし。行こう。

重たい体を起こしてフローリングに足を

つける。冷んやりとした感覚がまだ目が

覚めきってない私の体を刺激する。

「おはよう。」

「おはよう。早く食べちゃいなさい。」

今日は味噌汁と白ご飯とダシ巻卵。

いたって一般的な朝ご飯。

私はお母さんの味噌汁がニガテ。

しょっぱいから、涙の味を思い出す。

そう。叶汰との日々の思い出を。

一口、また一口と味噌汁を口に運ぶ度に

しょっぱさと温かみが私の涙線を緩ませ

る。だめだ。……ダシ巻卵食べよ。

「ごちそうさまでした。」

「あら、味噌汁残しちゃうの?」

「うん。ごめんね。」

味噌汁以外を綺麗に食べ終えて、一旦

リビングを出て自負の部屋へ。