「悠斗、今日放課後話せる?」


部活の自主練に向かおうとしていた俺は、今一番避けたい相手に呼び止められる。


今日一日、俺から話しかけるなんてできなかったし。


もちろん友貴から話しかけることもなかった。


「あぁ。けどお前部活は?」


友貴は一年のくせにサッカー部のエース的存在。


県でも有数の強豪校のこの高校でそれだけ上手いんだから、相当だろう。


もうすぐ県選抜の選考会に呼ばれるとか。


「今日俺休むから」


見た目はやる気なさそうだけど、部活熱心な友貴にしては珍しい。


「部活の後でいいだろ?じゃあ」


俺の提案にもすぐ首を横に振り、荷物を手にする。


「何より今、はっきりさせてぇから」