*side龍*
「・・・チッ。」
あー、やらかした。
「・・・今日はここまでにしとくけど。次また同じことしたら。」
ひと呼吸おいて俺は言う。
「次は殺すよ?」
それを聞いて青ざめる野球部の奴ら。
「わ、悪かった!!」
「早くいけ。 」
俺があごで校舎をさすと、6人は逃げるように去っていった。
「ったく・・・。」
思わずため息がでる。
おかしいに決まってんだろ、さっきの出来事。
あんなことが起こるはずがない。
だって、テニスコートと野球のグラウンドに は校舎が間にあるんだ。
わかりやすくいうと、ここの高校の敷地の端にテニスコートはある。そして、その真逆の端に野球のグラウンドはあるんだ。
・・・ここまであんな速い球が飛んでくるわけねぇだろーが。
あの時、くらげも翔太も柊も誰も気づいていなかったから言わなかったけど、あれはおかしいんだ。

