「入部して1ヶ月くらい経った頃かな。監督に声をかけられたんだよ。陽菜の母親だけど。その頃はまだバド部の監督をしてなかったから、時間にも余裕があったんだと思う。その内容が陽菜と練習をしないかってことだったんだ」

 一息つくように航太がパスタを口にした。
 俺もハンバーグを放り込む。


 ただ事ではないんだなってことは伝わってくる。

 陽菜と航太の見えない絆。


「部活は月水金だったから、日曜日を除いた他の曜日。週6日の練習だったけど、俺も上手になりたかったからOKしたんだよ。それが始まりかな」

「週6日ってきつくなかったのか?」

「初めはもちろんきつかったけどな。慣れてくるとそうでもなくなった。まだ基本が出来てないんだから、まずは素振りから始めた」


 1週間のほとんどを陽菜と過ごしてるってことにもなるんだよな。