ヒロは少し困ったような顔をして
「ごめん…気持ちは嬉しいけど、それに答えることはできない」
そう言って、頭を下げる。
ヒロって意外に紳士的な返事の仕方なんだね。
少し感心した。
女の子は納得がいかないのか
「なんで??可能性全くないの??」
今にも泣きそうな顔。
「俺…好きな人がいるんだ」
女の子は目を見開いてヒロを見ている。
そしてその目からは涙もこぼれてきて
「え…だって噂だと横橋くん…最近までずっと好きな人いないってみんなに言ってたじゃん…」
「ごめん。あれは嘘なんだ」
「誰なの??」
「…それは誰にも言えない。これから先もずっとそうだと思う」
ヒロはそう言うと、ものすごく悲しそうな顔になった。
ヒロ…ものすごく悩んでるんだ…
女の子は諦めたかのようにか細い声で
「…そっか。わかった。横橋くん頑張ってね」
この場にいるのが辛かったのか、走って立ち去って行ってしまった。
何かを考えてるのか、少しの間俯いたまま立ちつくしていたヒロ。
そして肩をがくっと下げながらこの場から歩いて行った。
…ヒロがこんなにも悩んでたのに
気づいてあげられなかったんだあたしは。

